こんにちは。
先日、長野県の薮原(やぶはら)のお六櫛の職人さんにお会いしに行ってきました。
今回は、そのときにいただいた、職人さんの言葉に心が動かされたお話をお伝えしたいと思います。
その職人さんは、長年お六櫛を作り続けているだけでなく、宮内庁をはじめ各所から表彰を受けるほどの名工です。
その方がこう話してくれました。
「材料に感謝しながら櫛を挽いている。それは、どの分野の職人でも同じだと思うよ。」
木という素材をただの道具の材料としてではなく、一つの“命”として大切に扱うその姿勢が、とても印象的でした。
その言葉を聞いて、ふと料理人のことを思い出しました。
料理人は、食材の命をいただくことで料理を作り上げます。命に敬意を払い、感謝の気持ちを込めて包丁を握る。
素材に向き合うその姿勢は、お六櫛の職人さんと共通するものがあるのだと感じました。
違う世界の仕事だけれど、根底にあるのは「感謝の心」。
素材の命に寄り添うことで、はじめて生まれる本物の美しさや味わいがある。
そんなことを改めて気づかせてもらった時間でした。
毎日の暮らしで使うものや口にするものが、誰かの想いと手間の結晶だと思うと、なんだか毎日がもっと大切に思えてきますよね。
これからも、そうした“心”を大切にしていきたいと思います。